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来島 利幸*; 中瀬 吉昭*
JAERI-Research 97-013, 124 Pages, 1997/03
工業用低エネルギー電子線照射における吸収線量の評価のために、モンテカルロ法により物質中に入射した電子の挙動について計算を行った。ここでは、電子の単一散乱を仮定し、相対論的取扱いを行って、従来より正確にかつパソコンレベルで計算できるコードを開発した。加速器窓としてのTi層、空気層、線量計としての三酢酸セルローズ(CTA)層及び基板の多層構造に主として300keV電子を照射したときの振る舞いについて解析した。CTA表面における電子のエネルギースペクトル、角度分布の計算や、CTAにおける深度吸収線量等の計算を行った。これらの計算結果と実測値との比較を行い両者が良く一致することを確認した。
来島 利幸*; 菅 博*; 中瀬 吉昭
Applied Radiation and Isotopes, 45(7), p.759 - 765, 1994/00
被引用回数:2 パーセンタイル:28.09(Chemistry, Inorganic & Nuclear)三醋酸セルローズ(CTA)薄膜に300keV電子線を照射した場合の深部吸収線量の計算値と実測値を比較した。試料を移動しながら照射する場合(動的照射)と移動しない場合(静的照射)の深部吸収線量分布を比較検討し、入射電子の角度が大きく影響することを明らかにした。基材による後方散乱電子の影響も本計算法(モンテカルロ法)でシミュレーションできること、さらに低線量率(低フラックス)電子線の場合に良好なシミュレーション結果が得られること、を明らかにした。
耒島 利幸*; 中瀬 吉昭
Applied Radiation and Isotopes, 44(4), p.693 - 699, 1993/00
被引用回数:3 パーセンタイル:38.1(Chemistry, Inorganic & Nuclear)走査型照射用電子加速器を用いた、300keV電子線に対する多層吸収体の深度線量分布の測定を行った。多層吸収体としてはTi-air-cellulose triacetate(CTA)と基板である。このうち、CTAを試料としてコンベアを用いた動的照射とビーム取り出し窓下に固定した静的照射を行い、深度線量分布を比較検討した。また、ビーム走査方向についても両方法で測定した。動的照射に比べて静的照射では、線量のピーク値が深部に存在することがわかった。斜め入射効果を調べるために入射角度を変えて上記両方法で比較検討した。